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2012/10/16(火)
『人を軽蔑するひとは軽蔑に価する』(「アミ 小さな宇宙人」より)
この言葉は、「アミ 小さな宇宙人」という本に出てきた言葉です。正確にはその続編である「帰ってきた アミ」の中での言葉です。
この言葉を文字通りに解釈するなら、誰であろうと他者を非難することは出来なくなります。
少なくとも『イデオロギー』や『宗教』の違いで相手を非難することは出来ません。もっと言うなら、たとえ相手が愛のない行動を取っていたとしても、それさえ非難出来ないはずです。
この言葉の実践はとても難しいでしょうが、常に心に留めて置かなければならない教えだと思います。
2012/06/13(水)
文庫化されたので、話題作であった1Q84を読みました。とってもおもしろかったのですが・・・
村上春樹さんの1Q84が文庫化されたので、読んでみました。私は、小説、特に現在小説をほとんど読まないのですが、TUTAYAに言ったときに文庫化された1Q84が、入口のところに平積みされていたので買ってみました。
あまりのおもしろさに残りの出版が待ち遠しいほどでした。読み終わるのが残念な程でした。それを先日の日曜日に読み終わりました。とっても、おもしろかったです・・・。おもしろかったのですが、『これでいいのか村上春樹?』と思ってしまいました。
私が、村上春樹さんに興味を持ったのは、小澤征爾さんとの対談本で感じさせられた優れた感性と知性と造形故にです。それですので、それ以来、村上春樹さんのものを読んでみたいと思っていました。
そんな矢先、TUTAYAで平積みされていたので、1・2巻だけ買ってみました。率直な感想は、『すっごい、おもしろい。すばらしい!』でした。
続編が出版されるたびに、即買いし、早く読見切ってしまわないように、ゆっくりと味わいながら読みました。
ですが、5巻の後半くらいから、『このままで収拾がつくのか・・・。落としどころはどこなのか・・・』と言う疑問が出てきました。
6巻(最終刊)の真ん中辺で、『これでは収拾つかないでしょ?いいの、ホントにいいの??』と思い始めました。読み終えたときの感想は、『残念・・・。』の一言でした。
この本の特徴を簡単に言うと、『贅沢な撒き餌、それも複数の高級魚に対しての撒き餌を何時間もやり続けてきたのに、実際に生き餌をつけて釣りを楽しんだのは、ほんの1時間ほどで、釣れたのは小魚一匹のみ』というようなものです。
私が撒き餌として感じたのは以下のようなものです。
●多次元宇宙に関する事柄
●自分の意識が世界を決定するという量子力学的な世界観
●宗教とカルトの違い、そもそも宗教自体がカルトなのか
●共産主義と宗教は、そもそも似たようなものではないか
●主義を越えた次元で存在するものとは
●根源的なものとは何なのか
●意識と肉体の関係とは
●肉体を離れて意識は存在しうるのか
等々
しかし、これらについて回答が与えられたものは一つもありませんでした。『そのような小説を書きたかった』と著者は言うのかもしれませんが、それでも終わり方はもう少し考えて欲しかったです。チープな恋愛小説のようになってしまった気がします。
途中までは、カラマーゾフの兄弟に匹敵するものになるのでは?と思っていましたが・・・・。まあ、カラマーゾフの兄弟も尻切れトンボといれば、そうかもしれませんが・・・。
兎に角、筋を追うのは楽しかったですが、それだけの小説でした。文章等は洗練されていましたので、大人が娯楽として読むには良い本だと思います。